第3回SLEとLNの病態形成におけるT細胞の役割
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ご監修北海道大学病院 リウマチ・腎臓内科
講師 河野 通仁 先生
Introduction
全身性エリテマトーデス(SLE)は、免疫寛容の破綻に起因する、全身性かつ慢性の自己免疫疾患です。SLE患者の体内ではSLEを発症する前から徐々に特定の自己抗体が蓄積していることが知られています1)。B細胞による自己抗体の産生は、同じ自己抗原を認識する自己反応性CD4+T細胞により促進されるため、SLE患者において自己反応性CD4+T細胞を識別することは、SLEの病態理解と治療法の開発において意義のある試みと考えられます。また近年では、SLEの…臓器障害は組織に沈着した免疫複合体(IC)により誘導されるのみならず、細胞傷害性CD8+T細胞による損傷も関与することが示唆されています2-11)。
本コンテンツでは、T細胞ライブラリと抗原反応性T細胞濃縮(antigen-reactive T-cell enrichment:ARTE)の2つの手法を用いて、活動性SLE患者における核抗原特異的CD4+T細胞の挙動を解析した研究と、Ⅲ型およびⅣ型のループス腎炎(LN)患者の腎臓におけるCD8+T細胞浸潤、およびその生物学的・臨床学的特性との関連を検討した研究を紹介します。
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2025年3月作成
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