子どもを持ちたい、治療検討中の30歳代女性のADPKD診療のポイント

  • 解説
    関根章成先生(虎の門病院 腎センター内科・リウマチ膠原病科/遺伝診療センター)

30歳代の女性には、結婚、妊娠・出産といったライフイベントに関する悩みが多くみられます。出産に関しては、配偶者の理解や、患者さんの背景、ご両親との関係などによって、悩みも一人一人異なってきます。ADPKDは遺伝性疾患なので、子どもへの遺伝に対する不安も大きく、センシティブな問題を含んでいるといえます。
今回は、臨床遺伝専門医でもある虎の門病院の関根先生に、女性のライフイベントとADPKD治療について解説していただきました。

患者背景

30歳代の女性

  • 健康診断で、高血圧とタンパク尿を指摘されたので精査したところ、常染色体優性(顕性)多発性のう胞腎(ADPKD)と診断された。
  • 父親がADPKDで透析治療を受けているため、自分もADPKDかもしれないとは思っていた。
  • 結婚して2年たち、そろそろ子どもを持ちたいと思っているが、自分も将来は父親のように透析になるのでは、という不安を持っている。
  • 両側総腎容積(TKV)は、まだ750mLまで増加していない。
  • サムスカで治療するよりも、子どもがほしいと思っている。

2024年10月作成
SS2410009